漫画 ~ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-~

ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-

作者:神崎裕也

出版社: 新潮社

掲載誌: 月刊コミック@バンチ(週刊コミックバンチ)

巻数:全24巻(2009/10/23 ~ 2017/06/09)


「ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-」は幼少期に大切な人を奪われた二人が

警察官と暴力団になり、事件を隠蔽した警察組織に復讐するサスペンス漫画です。




主人公が警察と暴力団に関わるとあらば潜入物(スパイ系)が有名かもしれませんが、

この作品は目的を達成する手段として両者の立場を最大限活用しようとするものです。

そういう意味では、主人公の一人が警察ではなく、政治家であるという違いが

ありますが、史村翔さんが原作で池上遼一が作画をしている名作「サンクチュアリ」と

近い形になっており、個人的には話がおもしろくないわけがないと思っています。


ちなみにタイトルになっている「ウロボロス」は自分の尻尾を自分で咥えて

円環となっている龍をあらわしており、1匹バージョンと2匹バージョンが

あるようです。

作者さんが龍が好きで2匹の龍をシンボル化したデザインで有名だったから

ウロボロスをタイトルにしたのか、ウロボロスの持つ「循環性」や

「死と再生」の意味を重視してタイトルに用いたのかはわかりません。




話の大筋は次のようになっています。


主人公である龍崎イクオ(りゅうざき いくお)と段野竜哉(だんの たつや)は

孤児であったため、養護施設「まほろば」で、育ての親でもあり、初恋の人でもある

この世で一番大切な人、柏葉結子(かしわば ゆいこ)先生や他の子供と暮らしていました。


しかし、二人が小学生のときに自分達のすぐそばで結子先生が何者かに

殺されてしまいます。しかも、犯人達を目撃した二人が警察にそのことを

証言しようとした際に、金時計をつけた刑事(金時計の男)に事件を忘れるよう、

また、警察であれば事件を隠蔽することなど造作もないことであることを言われます。


15年後、恩人である結子先生を殺害した犯人、また事件をもみ消した金時計の

男を二人で裁くために、龍崎イクオは警察官として、段野竜哉はイクオを

通常の何倍ものスピードで出世するために暴力団として、復讐のためだけに

生きる2匹の龍が自分達の価値観と法で悪を裁いていく話です。


自分達の価値観と法で裁くとあるように、この主人公達はときに平然と悪人を

射殺したりします。(法治国家日本なんてなかった、いいね)


ただ、そんな復讐に燃える主人公を中和する存在として、

ヒロインの日比野美月(ひびの みづき)もいて、物語のアクセントになっています。


1話完結型の話がベースですが、金時計の男とは何者なのか、なぜ結子先生が

殺されなければならなかったのか、主人公が警察という巨大な組織にどう

立ち向かっていくのか、それらのサスペンスとミステリー要素を楽しむ漫画です。




ところで、こちら2015年の冬シーズンに「ウロボロス〜この愛こそ、正義。」の

タイトルで、生田斗真さんと小栗旬さん主演でドラマ化されています。


漫画が好きだったからドラマも見ようかと思っていたのですが、サブタイトルを

変える必要はあるのかが疑問に思いつつ結局1話しか見ていません。


まあ確かに「警察ヲ裁クハ我ニアリ」はちょっと乱暴な気がしますが、

それならサブタイトルなしでよかったんじゃ……

と見てない人が言っても仕方ないと思うため、いずれ見たいと思います。


ちなみに、漫画ではヒロインの美月の親であり警察の監査役でもある

警視庁警務部監察課のダンディなおじさま、

日比野圀彦(ひびの くにひこ)首席監察官がサブタイトルを台詞に使っています。

監察官としての台詞として考えれば、そこまで乱暴な文章でも

ないのかなとも思います。

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