舞台 ~ 殺しのリハーサル ~

公演:殺しのリハーサル(ころしのりはーさる)

原題: Rehearsal For Murder

脚本: リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク

脚色:D.D.ブルック

翻訳:保坂磨理子

演出: 鈴木孝宏

企画制作: ピュアーマリー

公演期間:2018/5/26(土) ~ 2018/5/27(日)

公演会場:能登演劇堂


5月26日(土)に能登演劇堂にて舞台「殺しのリハーサル」を観劇してきました。


※若干のネタバレ有、個人的感想強め、記憶があやふな部分がある点をご了承願います。



概要


以下、能登演劇堂様ホームページより引用しています。


「刑事コロンボ」の作者、リチャード・レビンソンとウィリアム・リンクが、1982年に、ベテラン俳優、ロバート・ブレストンを主役にテレビ映画として書き下ろした知る人ぞ知る傑作!!日本でもNHKで「殺しのリハーサル」と題して放送され反響を呼びました。
物語の舞台は「劇場」、実力派俳優たちが繰り広げるバックステージ物語、鮮やかなどんでん返しと華やかなブロードウェイのライトに浮かぶ役者の陰影、世界中の演劇ファンを魅了してやまない必見の舞台、ミステリーの醍醐味をご堪能ください。



あらすじ


以下、能登演劇堂様ホームページより引用しています。


ブロードウェイのとある劇場。誰もいない寂しさ漂う客席に姿を現す劇作家アレックス。丁度その日は、恋人であった女優モニカの一周忌。一年前の今日、それは自らの主演舞台初日、彼女は結婚発表を目前に謎の死を遂げた。
彼女の死後、行方をくらましていたアレックスは、この日、昔からの仕事仲間であり、あの舞台の関係者であったプロデューサー、演出家、舞台監督、男優、女優等をこの劇場に招集していた。次々と登場するかつての芝居仲間たちとの再会。しかし皆、実は今日ここに呼び出されたことを訝しんでいた。
自殺と処理された女優の死を、殺人事件だったと確信するアレックス、真犯人は必ずこの中にいる、これはそれを暴くための「殺しのリハーサル」なのだ。



キャスト


以下、能登演劇堂様ホームページより引用しています。


山口馬木也
サヘル・ローズ
庄野崎謙
太田奈緒(AKB48)
市川博樹
宮原将護
三枝奈都紀
イルファ(平山日和)
神田敦士
峰さを理

津田英佑



企画制作のピュアマリーさんは海外の名作を日本人キャストで構成する公演をこれまでに計600回以上、30万人以上の動員を記録してきたエンターテインメイント法人です。


能登演劇堂での観劇は2017年10月、無名塾さんの「肝っ玉おっ母と子供たち」以来の久しぶりでした。


4月12日~15日の日程で東京公演があったのですが、そのときに月船さららさんが演じられる役を能登公演では三枝奈都紀さんが演じられています。

三枝奈都紀さんは「人狼TLPT X ドラゴンクエスト X 勇者姫と薔薇の盟友」で賢者アイヴィー役を務めていた方であり、印象に残っていました。


峰さを理さんは福井県敦賀市出身の方らしく、北陸の劇場公演に参加されていることを嬉しく思います。


内容は登場人物が舞台関係者であるミステリーと、個人的に楽しめないわけがないという状態だったために、かなりハードルがあがっていましたが、思わぬ展開や絶妙な複線回収といった点で大いに楽しめました。



ストーリー等の補足


後で見返したときのための簡単な補足情報です。


・1年前の公演、初日上演後の雷雨の夜にモニカが投身自殺で亡くなります。

・モニカには翌日に婚約を発表する予定だった相手がいました。それが舞台の脚本家であるアレックス・デニスンであり、本作の主役です。

・彼女の死後行方をくらましていたアレックスは、1年前の舞台の関係者であったプロデューサー、演出家、二人の男優と一人の女優を呼び、新しく作成した脚本「ジェシカ殺し」のリハーサルをお願いします。

・上記のメンバーに加えて、アレックスの助手や、舞台監督、劇場のスタッフや謎の観客を加えて物語りは進行していきます。

・「ジェシカ殺し」の内容は、立場を悪用した男女の色恋沙汰、演じる役への嫉妬、金銭目的の保険といった、まるで1年前に死んだモニカが殺人だった場合の動機となる場面を投影したような脚本でした。

・約2時間の上演予定時間の舞台の序盤30分ほどは1年前のシーンです。



感想


以下、印象に残った点です。


・ミステリーだけあって、複線の多さや回収の仕方、起承転結のわかりやすさと意外性のバランスはとてもよかったと思います。

・ミステリーのメインは“フー・ダニット”、もちろん“ホワイ・ダニット”も説明されています。“客席への情報提示のフェアさ”と“思わぬ展開のためのトリック”を天秤にかけたときにどちらをとるかは難しい選択だと思いますが、思い起こせば、何気ないキーワードが作中で何度か繰り返し出てきているあたりからもいい脚本だなと思います。

・「転」を見るまでは少しアレックスのやり方は強引過ぎるというか、ご都合主義な部分が感じられました。結果的にはそれも回収されたため、ただの杞憂だったわけですが。

・原作ではプロデューサーが“ウォルター・ラム”と男性だったのが、今作では峰さを理さんが演じる“ベラ・ラム”となっていました。単純に男女のバランスがとれるこちらの形のほうが好きです。

・コーヒーの数は何か意味があったのでしょうか。聞き間違いでなければ12個用意してあるという話だった気がします。

・客席はいい加減に見積もっても、座席の列番号を考慮すれば400人以上はいたと思います。さすがにこれだけいると不可抗力ではありますが、咳やくしゃみの音がいたるところで聞こえてしまいます。

・コカ・コーラの自販機が2台設置されていたのですが、以前はもっとあったような気がします。記憶違いかもしれませんが、同じベンダーで2台取り扱うのであれば商品の種類を増やして欲しいかなと感じました。

・舞台奥全開放扉が特徴の能登演劇堂、本当に少しだけちょっと演出で活躍しないかなと期待していたのですが、やはり本作では出番がありませんでした。


北陸の地で今回のようにおもしろい公演を観る機会があり幸せでした。

ピュアマリーさんの次回作は8月に渋谷で上演されるモーリス・メーテルリンクの「青い鳥」のようです。


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