映画 ~バタフライ・エフェクト~

バタフライ・エフェクト

原題: The Butterfly Effect

配給: ニュー・ライン・シネマ(アートポート)

監督:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー

脚本:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー

出演:アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート

公開日: 2004/01/23(日本 2005/05/14)

ジャンル:SF、サスペンス


「バタフライ・エフェクト」はタイムスリップ能力を持った主人公エヴァンが、

周囲の人たち、特に想い人である幼馴染のケイリーを幸せにしようと、

過去の出来事をやり直していくSF作品です。


ただ、この作品では良かれと思って過去でやり直した行動が、思わぬ結果を生み、

結局誰かが不幸になってしまうため、主人公が何度もタイムスリップすることに

なってしまっています。

この思わぬ結果を生むという点がタイトルの由来となっており、

タイトルの元ネタについては、wikipedia先生「バタフライ効果」を参照願います。


時間軸がバラバラな作品は下手をすれば非常にわかりにくい構成になってしまう

ことがありますが、タイムスリップできる場面が限られていたことと、

主人公の目的・信念がわかりやすく、さらにブレなかったことがあり、

この作品は話の流れが比較的わかりやすいと思います。


また、過去でやり直したことにより発生した影響もわかりやすく

描かれていると思います。

(これは冷静に考えると、バタフライエフェクトの元々の意味とは異なるのですが……)


最後のエンディングも個人的に満足しており、おもしろい作品だと思います。


以下では本作品のマルチエンディングに関して考察しています。


エンディングに満足していると言いましたが、

この作品はマルチエンディングということです。



通常エンディングについて


劇場公開版エンディングといわれているエンディング(通常エンディング)は、

ケイリーと初めて出会うことになる幼少時代のホームビデオを見ることで、

その過去に戻って、わざと嫌われる態度をとりケイリーとの関連を切ることでした。


ケイリーが不幸になる要因は、ケイリーの父親や兄弟による影響が大きいです。

ケイリーの両親はエヴァンと初めて会った後、離婚することになるのですが、

母親の元にケイリーが行っていれば、彼女は不幸にならないとの判断です。

しかし、エヴァンに恋心を抱く幼いケイリーは彼と離れたくないがため、

父親との生活を選びます。

(エヴァンが子供のときに引っ越すことでケイリーと別れる場面があるため、

より一層、彼女の選択が悲哀に感じます)


ケイリーとの関連を切ることでその後エヴァンが社会人になるまで、

一切、彼女の影はありません。ただ、エンディングで街で偶然ケイリーと

すれ違う場面があります。


ケヴィンが声をかけてハッピーエンドでもよかったの思うのですが、

結局声をかけずにお互い他人のまま生きていくことを選択しています。

先にも言ったように、ケイリーが不幸になるのは彼女の家族による影響が大きいため、

成人してしまえば問題ないような気がしますが、ケヴィンの決意の固さが

垣間見えるこの結末が1番好きです。



ディレクターズカット版のエンディングについて(未見)


監督がもともと予定したエンディングがセル版にはあるようです。

そのエンディングは、ホームビデオがケイリーと初めて会う場面ではなく、

ケヴィン出産の場面に代わっており、彼は自分が生まれてこないほうが

皆が幸せになれると判断して胎児の状態で自殺するという悲しい結末とのことです。


ただ、これが当初予定されていたエンディングということであれば、

1点わからないところがあります。


作中でケヴィンは自ら自殺しようとする場面があります。

そのときは結果的に一命をとりとめ、その後、彼の母親が自分が原因で

肺がんとなっていることを知って、母親を不幸にしたままではいけないと思い、

また過去に戻ってやり直そうとします。


ここでわかるように、ケヴィンは母親も幸せに暮らして欲しいという

強い気持ちを持っているように思います。


にもかかわらず胎児のときに自殺しようとするのでは整合性がとれないような

気がするのですがどうでしょうか。


機会を作ってディレクターズカット版も見てみたいです。

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